国家食品医薬品監督管理総局と国務院関係部門は、審査承認制度改革をより一層深化し、医薬品と医療機器産業の構造調整と技術革新を促進し、関係産業の競争力を高め、臨床ニーズを満たすために、「医薬品医療機器イノベーション推奨と新薬新型医療機器上市審査承認加速化に関する政策」(意見募集用原稿)を起草し、2017年5月11日から関係意見を募集することになった。原稿修正に関する意見があれば、2017年5月25日までに電子メールで国家食品医薬品監督管理総局(医薬品化粧品登録管理司)に送付するように。すべての意見の募集期間は2017年6月10日までである。
別添:
医薬品医療機器イノベーション推奨と新薬新型医療機器上市審査許可加速化に関する政策(意見募集用原稿)
一、至急な臨床ニーズがある医薬品と医療機器審査承認の加速化。命の危険が高く、且つ有効的な治療手段がない疾病の治療に用いる医薬品と医療機器、およびその他臨床ニーズの満足に重大な意味を持つ医薬品と医療機器に関しては、臨床試験の前期、中間指標でその治療効果が示され、臨床的価値も予測可能なら、関係条件を満たしたうえで上市を許可する。申請者はリスク制御計画を立て、要求事項に従って確証的臨床試験を行い、試験許可書における研究内容を実施しなければならない。新薬と新型医療機器の開発を推奨し、国家科技重大プロジェクトと国家重点研究開発企画に入選し、サポートを受けている新薬と新型医療機器に対し、優先審査承認を行う。
二、稀少病治療用医薬品と医療機器開発へのサポート。衛生計生機関は稀少病の目録を公開し、稀少病患者登録制度を確立する。稀少病治療用医薬品と医療機器の登録申請者は臨床試験の免除を申し込み、稀少病治療用医薬品と医療機器の審査承認を速める。海外で上市許可を取得した稀少病治療用医薬品と医療機器に関しては、関係条件を満たせば、上市を承認できるが、上市後は規定される期間内に関係臨床研究を補完しなければならない。
三、注射剤関係審査承認の厳格化。経口服用製剤から注射剤への変更を厳しくコントロールし、経口服用製剤で臨床ニーズを満たすことができれば、注射剤の上市を許可しないものとする。筋肉内注射剤から静脈内注射剤への変更を厳しくコントロールし、筋肉内注射剤で臨床ニーズを満たすことができれば、静脈内注射剤の上市を許可しないものとする。大容量注射剤、小容量注射剤および注射用無菌粉薬の間における剤形変更申請の場合、顕著な臨床上のメリットがなければ、不許可とする。
四、医薬品用原料、添加剤および包装資材管理モデルの調整。医薬品用原料、添加剤と包装資材の届出に関する管理規則を制定し、届出情報プラットフォームを確立する。関係企業は関係要求事項に従って届出資料を提出し、届出内容と情報の信憑性を確保しなければならない。医薬品審査評価機構は届出情報プラットフォームで届出を行った医薬品用原料、添加剤と包装資材に対し、医薬品登録申請と同時に審査承認を行う。医薬品生産企業は選択した医薬品用原料、添加剤と包装資材の品質に責任を負わなければならない。
五、医薬品と医療機器審査制度の整備。審査主導、検査補佐という技術審査体制を確立する。臨床医学のプロをコアメンバーとし、薬学、薬理学、毒性学、統計学などのプロを一般メンバーとする医薬品審査チームを立ち上げ、新薬の審査を担当する。臨床医学、臨床診断、機械、電子、材料、バイオ医学などのプロによって構成される医療機器審査チームを立ち上げ、新型医療機器の審査を担当する。申請者と審査員の私的コミュニケーションが禁じられるために、プロジェクト管理人制度を確立し、管理人が申請者と審査員との意見交換会議を主催する。審査プロセスで審査員と申請者が会議を通してコミュニケーションをとるという制度を確立し、第一相臨床試験申請前、第二相臨床試験完了後第三相臨床試験開始前と第三相臨床試験完了後生産と上市申請前という3つの重要な時点で、申請者と審査員の意見交換会議を開き、十分な議論を行わなければならない。審査期間中、申請者の要請に応じて意見交換会議を開催できる。専門家問合せ委員会制度を確立し、重大な技術問題と論争に関しては、専門家問合せ委員会が公聴会を開き、申請者と審査員の両方の意見を聴収したうえで、対策決定の参考として関係意見を出す。審査機構による審査結論(生産技術と手順などの企業秘密にかかわる内容は除外)をすべて公開し、社会による監督を受ける。第一類と第二類医療機器審査の技術基準を統一化させ、国による統一的審査を実現させるように努める。
六、新薬臨床応用へのサポート。医療機関が高い治療効果を持ち、価格も合理的な新薬を優先的に購入し、使用するよう推奨する。医療保険用医薬品目録の動的調整メカニズムを整備させ、医療保険用医薬品関係支払基準相談制度の確立を模索し、新薬が関係規定に準じて基本医療保険適応範囲に入るよう促進する。各地域は、疾病予防と治療のニーズに応じて、省(自治区、直轄市)レベルの集中調達を行うことができる。
七、漢方薬伝承とイノベーションへのサポート。「中華人民共和国漢方医薬法」における関係規定を徹底的に実施し、漢方薬メリット活用と現代的医薬品開発事情との関係、伝統的医薬品使用モデルと現代的医薬品ニーズとの関係を考慮に入れ、漢方薬の特徴に相応しい登録管理制度と技術評価システムを確立する。イノベーション型漢方新薬は「新発見治療効果」の基準によって審査承認を行う。改良型漢方新薬は臨床上のメリットを持つなら、承認する。古典的処方せんにおける漢方薬は簡素化した基準によって審査承認を行う。天然薬物は現代医学の基準によって審査承認を行う。漢方薬上市価値および関係資源に関する評価を行い、臨床的価値主導の漢方新薬開発を推し進め、漢方薬資源を持続可能な形で利用するよう促進する。漢方薬の品質制御に力を入れ、漢方薬臨床研究の能力を高める。現代的科学技術を活用して伝統的漢方薬の研究と開発を行うよう推奨し、漢方薬の伝統的剤形に基づく漢方新薬開発をサポートし、漢方薬産業の発展を促進する。
八、特許関係強制的許可に基づく優先審査承認制度の確立。「中華人民共和国特許法」における関係規定に基づき、公衆の健康と安全がひどく脅かされる状況の中、申請者は知的財産関係機関に強制的許可の実施を申請できる。知的財産関係機関は医薬品強制的許可の実施を決定した場合、医薬品審査機構は強制的許可実施対象になった登録申請を優先的に審査する。公衆の健康と安全がひどく脅かされる状況の判断基準と強制的許可実施の手順は、衛生計画生育部門が定める。
(出所:CFDAサイト2017-05-11)