最近、国家薬局方委員会の銭忠直主席専門家は天津で開かれた業界フォーラムで、編制大綱の要求に従い、新版「中華人民共和国薬局方」(以下「薬局方」と略称する。)の構成を全面的に最適化し、内容も大幅に増加させ、規範化と標準化のレベルもより高める予定、多くの「薬局方」品目の審査が速いペースで行われ、その一部の内容について、既に意見募集開始したと語った。
現在、5年に一度の「薬局方」の修訂作業は「まとめ」の段階に入った。「2015年版『薬局方』における最大変化の一つは、前の版における漢方薬、化学医薬品、バイオ製品という三部で別々に収録されている附録(凡例、製剤通則、分析方法指導原則、医薬品添加剤など)が合併され、独立した第四部になり、統一した技術要求を制定した」と紹介された。
銭忠直氏によると、「薬局方」附録とは、本文の後に付き、製剤通則、通用検査測定方法と指導原則を記す部分である。そのうち、指導原則は「薬局方」の執行、医薬品品質の考察、医薬品標準の起草、照会検証に対する制定した指導的な標準であるため、推薦的な標準である。製剤通則と通用検査測定方法はいずれも強制的標準で、「薬局方」本文と同様な法的効力を持つという。
現在では、通則(付録)の編制およびコーディングに関する研究を終え、2014年1月により薬局方委員会のウェブサイトの薬局方フォーラムで薬局方委員全員に意見募集し始めた。フィードバックされてきた意見とアドバイスを参考にし、「2015年版『薬局方』総則(草案)」の骨子と基本内容が決まった。今年の3月28日から、国家薬局方委員会は3カ月にわたって通則(草案)に関する意見公募を始めている。
現在の「薬局方」と比べ、2015年版「薬局方」通則(草案)では、誘導結合プラズマ質量分析法、(仮)新増ラマン分光法、超臨界流体クロマトグラフィー、臨界点クロマトグラフィーなど器械使用の測定方法が増記された。また、農薬残留量測定法、アフラトキシン測定法、(仮)新増細菌抑制効力検査法、ヒスタミン類物質検査法、漢方薬材DNAバーコード分子鑑定法、元素形態およびその原子価測定法などの方法が増記され、質量関係の新規検査測定項目も追加で収録されたという。
「我々は主要検査測定方法応用の指導原則を増修訂しただけではなく、医薬品の生産、流通、貯蓄と輸送などのプロセスにおいての技術指導原則も収録し、全面的に医薬品品質の制御を目指す」と銭忠直氏は述べた。
また、「二つ目の新しい見どころは『薬局方』品目の安全性制御水準を高めたことである。」と銭忠直氏は紹介した。2015年版「薬局方」は「医薬品管理弁法」と関係法規の規定により、「第十二期五ヵ年企画綱要」と「国家医薬品安全第十二期五ヵ年企画」における目標と任務に合わせて編成されたもので、その目標は「薬局方」の構造をより一層整備し、収録品目が国家必須医薬品目録、国家医療保険、労災保険と生育保険用薬のニーズに応え、医薬品安全保障と品質制御の水準をより一層高め、漢方薬標準が国際標準の制定で主導的な役割を果たし、化学医薬品とバイオ製品の標準が国際標準のレベルに達し、又は接近し、「薬局方」を核とする国家医薬品標準システムをより一層整備し、医薬産業の進歩と構造最適化・レベルアップのプロセスでよりよく指導力を発揮することであるという。
今回の薬局方委員会は同一剤形に対する安全性検査要求の統一、注射剤安全性検査方法応用指導原則、漢方薬における有害残留物量制限に関する指導原則の制定、農薬残留量測定法、二酸化硫黄残留量測定方法などについ大量の研究を行い、医薬品安全性制御の水準をより一層高めたという。
「我々は製品の特性鑑定能力の向上にも重点を置き、例えばDNAバーコード鑑定法を増やした。」と銭忠直氏は語った。
また、添加剤標準も今回で改善すべき部分として重点が置かれ、現在の薬局方に収録されている132品目の添加剤が全部修正され、265品目が新規に収録されたという。これにより、薬局方関係の研究任務は380になり、漢方加工添加剤という品目も初めて収録されたという。
国家薬局方委員会の張偉事務局長によると、今回の「薬局方」の制定・修訂プロセスから見れば、社会の注目度と企業の参加度は以前より高くなったという。国の内外と問わず、多くの企業は多大な関心を示し、「品目の選定、標準の研究と起草、照合検証と修訂、情報公開の各段階で、積極的に科学的データと実験の証拠を提供し、有益な修正関係意見とアドバイスを提供してくれた」という。また、国家薬局方委員会はいち早く「薬局方」制定・修訂に関する情報を公開し、企業が速やかに新標準、新方法に関する検証作業を行うよう導き、一部の企業の代表と薬局方の専門家を招いて標準関係検討会を開き、政策決定過程をより科学的に公正で公開で透明性を高めるするように努めてきたと張偉氏は述べた。
(出所:医薬経済報2014-05-21)