国際共同治験に対する指導をより強化し、登録申請における国際共同治験データ使用の規範化と能率を保障し、被験者の権益と安全を保障するために、国家食品医薬品監督管理総局医薬品化粧品登録管理司は「国際共同治験マニュアル(試行版)」(意見募集用原稿)を起草し、2014年11月21日から意見を募集することになった。
各省、自治区、直轄市の食品医薬品監督管理局は確実に管轄区域内の関係監督管理機関、医薬品開発製造企業、薬物臨床試験機構および関係団体を召集し、検討を行い、2014年12月10日までに書面で意見をフィードバックするように。関係機関または関係者からの意見をフィードバック締切日は12月21日までである。
付録1:
「国際共同治験マニュアル(試行版)」意見募集用原稿起草に関する説明
国際共同治験を指導して規範化させ、試験データを利用して新薬開発をよりよくサポートし、公衆の医薬品使用能率を高める為に、国家食品医薬品監督管理総局は「国際共同治験マニュアル(試行版)」(以下「マニュアル」)を起草し、2014年11月21日から意見を募集することになった。以下のとおり、関係事情を説明する。
一、背景と目的
近年、薬物の研究開発はグローバル化した。異なる国家または地域は国際共同治験を通して、新薬研究開発の資源を共同で利用できるようになった。「医薬品登録管理方弁法」により、中国で国際共同治験データを利用して医薬品登録申請を行う場合、関係臨床試験の規定に従わなければならない。しかし、具体的に実施する際には、国際共同治験の我国における申請、実施および管理は、より一層指導、規範化する必要がある。
そのために、国家食品医薬品監督管理総局(以下「総局」と略称する)は本マニュアルを作成した。国際共同治験データが我国の医薬品登録申請に用いられるような場合、本マニュアルの要求に従わなければならない。
二、起草プロセス
総局医薬品化粧品登録司は2014年8月に関係機関の専門家を召集し、「マニュアル」の起草作業について検討し、8月初めにマニュアルの骨子をつくりあげ、主要内容を決め、8月末に初稿を作成した。9月から11月にわたり、医薬品化粧品登録司は6回の専門家会議を相次いで開き、専門家らは「マニュアル」の初稿について検討し、意見募集用原稿を仕上げた。
三、主要内容と説明
「マニュアル」は我国薬物臨床試験の実情およびその管理要求に基づき、国際の関係規則を参考にして制定されたもので、8つの部分に分けられる。
第一部は「背景」で、「マニュアル」制定の背景について説明を行い、「マニュアル」における国際共同治験の意義を明確化した。
第二部は「目的と意義」で、「マニュアル」を制定する目的を紹介し、国際共同治験データが我国の医薬品登録申請に用いられる意義を紹介した。
第三部は「全体要求」で、国際共同治験の申請条件、方策選択および登録申請に関する全体的な要求を紹介した。
第四部から第七部までは、国際共同治験の各方面に関する具体的な要求で、規範性、科学性も考慮に入れられ、登録申請報告書に関する要求、方案変更管理の要求も含まれている。
第八部は「現場検査の要求」で、検査の発起、検査前の準備と現場の選定、規定違反行為の処分および各国監督管理機関間の協力などの内容が含まれている。
付録2:
国際共同治験マニュアル(試行版)(意見募集用原稿)
一、背景
近年、薬物の研究開発はグローバル化した。医薬品登録の為の国際共同治験も日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)に関わる地域だけではなく、他の地域に広がった。薬物のグローバルな同調開発は、グローバル新薬開発資源共同利用のモデルで、不必要な臨床試験の重複を減らし、国と地域間の医薬品販売時間の格差を短縮できる。国内の申請者が国際市場に進出するために、薬物のグローバルな同調開発にますます注目している。
申請者はグローバルな同調開発の方策を制定する前に、早期研究のデータ、民族敏感性分析の結果及び各監督管理機関の要求に基づいて異なる地域内で使用する臨床開発の様式を決定する。多くの地域の数ある試験センターで同一臨床試験方案により臨床試験を行うことは、多地域試験(Multi-regional Clinical Trials、略称はMRCT)と言われ、地域間臨床試験(例えば、アジアとヨーロッパの両地域で試験が行われる場合)とも言われる。同一方案で臨床試験を行い、安全上のリスクが比較的に高い場合、申請者はある地域内の異なる国で多数の試験センターが関わる臨床試験を実施できる。上述の二つのやり方はいずれも国際共同治験と見られる。
「医薬品登録管理方弁法」によって、国際共同治験データを中国における医薬品登録申請に用いられる場合、「医薬品登録管理方弁法」における臨床試験の規定に従わなければならない。
二、目的と意義
本マニュアルは我国における国際共同治験の申請、実施および管理に対する指導で使われる。我国で医薬品登録を行う際に国際共同治験データを使用する場合、その国際共同治験に関与した国は最低でも中国を含む二カ国である必要があり、本マニュアルの要求に従わなければならない。
申請者が我国における重症疾患または臨床ニーズ未満足分野に関する国際共同治験を展開するよう励ます。申請者が我国でグローバル化した中枢な研究及び地域的な研究の実現可能性の早期研究を励ます。我国で中枢な試験研究(Pivotal Study)と我国患者向けの地域的臨床試験を展開するよう励ます。
我国の医薬品開発企業が国際共同治験に参加するよう励まし、我国薬物臨床開発の国際化プロセスを速め、我国薬物開発と薬物使用の全体的な水準を高め、我国の公共衛生事業が健全に成長するよう推し進める。
三、全体の要求
申請者は国際共同治験を行う前に、以下の要素を考慮に入れ、全体的に考えなければならない。
(一)国際共同治験申請の基本条件
申請者は国際共同治験を企画、実施する際に、我国の「医薬品管理法」と「医薬品登録管理弁法」などの関係要求に従い、我国の「薬物臨床試験品質管理規範」(GCP)を実施し、国際的な通則も参考にしなければならない。異なる国の法規と要求に従い、各国の法規と抵触しないことを保証したうえで、異なる国の要求条件を満足させる。
申請者は事前に我国のグローバル臨床開発計画における位置を把握し、グローバル開発に同調すると同時に、我国においての新薬開発を推し進めなければならない。申請者は我国で国際共同治験の申請を提出する際に、先進国と地域の監督管理機構に提出済みの完全な臨床試験方案(試験番号を含む)とサポート性のデータを含む申請資料を提出し、我国の「医薬品登録管理方弁法」などにおける関係要求条件を満たす必要がある。
国際共同治験は、世界各地の研究センターで同一研究方案を使用し、各センターの研究者に同一内容のトレーニング(試験方案、標準作業手順(SOP)、試験用記録票、計算機使用などの内容を含む)を受けさせ、各類の定義についてはっきりと解釈して翻訳し、診断、治療効果と安全性評価の指標を統一する必要がある。研究者が研究方案と関係指標、評価基準を正確に理解できるよう確保し、試験センター間と研究者間における評価の差異を減らす必要がある。大規模な国際共同治験の場合、通常は中枢な指標に対しての臨床事象判定委員会およびデータ安全モニタリング委員会を設立し、研究成果の信憑性を保証し、研究が的外れにならずよい方向に向かうよう保証する。
(二)国際共同治験の方策選定
通常の場合、グローバル開発計画を制定する前に、各地域と各国の疾病、流行病の状況、医療実践などに対し、関係研究を行い、上述薬物使用治療の評価に密接にかかわる要素が各地域と各国での差を明らかにしたうえで、開発の早期段階において薬物の人体での吸収、分布、排出、代謝の状況および薬物に対する反応、耐性によって今後の開発方策を確定する必要がある。すなわち、グローバルな同調開発或いは地域的な同調開発を行うか、もしくは国別の分別開発を行うかを確定する。
(三)国際共同治験データが医薬品登録に用いられる場合の要求
国際共同治験データが我国においての医薬品登録申請に用いられる場合、3つの要求がある。第一、グローバルな研究データを全体的に評価した後、アジアと我国の患者に関する研究データをより一層趨勢分析をする必要がある。我国の患者に関する臨床試験データを分析する際には、被験者になった患者の状況が我国の医療実践における患者全体の状況に一致しているかどうかを考慮する。すなわち被験者の特徴は代表的であるかどうかを考慮する必要がある。第二、我国の患者の全体研究においてのサンプル数は中国の患者が当該医薬品使用の安全性と有効性を評価、推論することにおいて十分に用いられるかどうかに注目する必要がある。第三、国際共同治験が異なる国、異なる試験センターで実施される際には、適任な研究者を選び、国際的に通用するGCPおよび倫理要求に従い、所在国または所在地域の関係法律法規の要求に従わなければならない。
薬物臨床試験に携わったあらゆる国内及び国外の研究センターは、いずれも我国の医薬品監督管理機関の行う関係現場検査を受けなければならない。
四、試験の規範性への考慮
国際共同治験は、国際的に通用する倫理と原則(ヘルシンキ宣言、国際医学団体協議会(CIOMS)による「人被験者を対象とする生物医学研究についての国際ガイドライン」などを含む)及び所在国または地域の倫理管理要求に従わなければならない。
1、申請者は臨床試験所の所在国または所在地域における臨床試験関係申請の法規と要求に従い、臨床試験開始前に所在国の医薬品監督管理機構の批准、又は届出(要求された場合のみ)を取得し、開放的な情報プラットフォームで薬物臨床試験の登録と情報公開を行わなければならない。
2、国際共同治験の円滑な実施を保証し、翻訳ミスによる損失を防ぐために、申請者は試験用書類を現地の文字に翻訳し、訳文を原語に訳し直すという形で翻訳の正確性を検証する必要がある。被験者の使用する治験参加同意書、被験者日記などの書類は現地の言語を使用し、翻訳時に文化の違いを考慮する必要がある。症例報告表(CRF)の記入言語を明確する必要がある。英語以外の言語を使用する場合、CRFと被験者日記中の文字記述部分に対する翻訳した部門と時間を明記する必要がある。
3、申請者は臨床試験実施前に、倫理委員会の審査を受け、批准を取得しなければならない。国際共同治験は合同審査の業務手順を設けることができる。メイン倫理委員会と所在地の倫理委員会は各自の審査職責をはっきりと明確し、関係要求に従わなければならない。所在地の倫理委員会は申請条件、試験実施機構と研究者の資質、社会の禁忌、宗教、習俗などの要素を十分に考慮し、被験者の選定、排除、プラバシー保護などが倫理的要求に適うよう保証し、国または地域の間にダブルスタンダードが出現することを防がなければならない。
倫理委員会が試験の全体状況を把握し、追跡審査を行い、被験者の権益を保護するために、申請者と研究者は国際共同治験のすべての情報、データ安全モニタリング委員会の分析報告書および自国と他国または他地域の安全性情報を速やかに倫理委員会に提出しなければならない。
4、研究者は臨床試験開始前に、被験者の治験参加同意を取得必要がある。同意書の内容はGCPの要求に適うものでなければならない。試験用薬物にかかわる重要な資料は速やかに更新しなければならない。異なる国または地域で参加同意を取得する過程における重要な区別について、登録申請資料で説明しなければならない。児童、行動力のない被験者など特別被験者群を対象とする参加同意を取得する場合、GCPだけではなく、各国の関係法規の要求にも従わなければならない。
5、生物サンプルの保留と結果の使用は試験方案の関係内容に一致しなければならない。他の用途で使う場合、別途参加同意を取得必要がある。生物サンプルの保存と搬送は所在国と所在地域の関係法規の要求に従わなければならない。
6、申請者は副作用による有害事象(AE)に関する情報の収集方法と評価の方法を統一し、同一専門用語表(MedDRAまたはWho Drugなど)を使用して副作用による有害事象にコードをつけ、統一的な重篤副作用による有害事象(SAE)の情報収集と評価を行う安全性データベースを設立しなければならない。AEまたはSAEの報告は所在国と所在地域の関係要求に適わなければならない。
7、申請者は所在国または所在地域における臨床試験関係保険またはほかの保障措置に関する法規の要求に従い、被験者が速やかに治療を受け、賠償を得れるよう保証しなければならない。海外の保険会社が保険サービスを提供する場合、申請者は我国国内の被験者の賠償を請求できるよう保証し、被験者の権益を優先的に保障しなければならない。
8、国際共同治験は統一のデータ処理センターを利用し、データのチェック、照合、保存と分析を行わなければならない。
9、申請者またはその委託した合同研究組織(CRO)は、各研究センターを監査し、監査報告書を保管しなければならない。申請者は定期的に監査報告書を審査しなければならない。申請者またはその委託したCROは、査察計画を制定し、統一した査察報告書モデルと査察結果報告システムを持たなければならない。申請者はその委託予定のCROに対し、系統的に評価、監査と査察し、その業務実施品質に責任を持つ必要がある。
10、試験用医薬品のラベルの内容は国際と所在国の要求に従い、医薬品の識別、追跡の可能性と正確な使用を保証するものでなければならない。ラベルの内容は試験の情報と試験用医薬品情報を含まなければならない。
試験情報は申請者、CROの名称、住所と電話番号、試験番号、薬物番号(盲検化試験)、用法と使用量(或いは被験者向けの使用案内を提供)を含み、「臨床試験専用」などを明記しなければならない。
試験用医薬品情報は剤形、投与方法、規格、批准文書の番号、保存条件と有効期限などを含まなければならない。
11、臨床試験用医薬品(IMPs)と非臨床試験用医薬品(NIMPs)、例えば基礎用医薬品(background therapy)、救急用医薬品(rescue/escape medication)などはいずれもGMPの条件で生産、運輸と使用過程の追跡可能性を保証する必要がある。被験者のNIMP使用への依存性も評価が必要となる
12、電子データ収集(EDC)システムを使用する場合、研究者と関係者に研修を受けさせ、技術サポート部署と業務関係ホットラインを設けなければならない。システムの安全性、ユーザー管理、検証、データの報告、導出、修訂、処理、保存、品質制御などは国際的または所在国の電子データシステム関係要求に従い、自主査察追跡(audit trail)機能を持たなければならない。
五、科学性への考慮
臨床試験方案の設計は、全体的に科学と倫理の要求に適わなければならない。国際共同治験は、地域と国が異なることから、文化、言語、教育水準、社会環境と気候などの諸要素も違うため、試験センター間の差異が生まれ、研究成果の正確性と信憑性にも影響を与える可能性があるため、方案制定と実施作業をより一層重点に考慮する必要がある。それと同時に、地域と国をまたがったサンプル又は血液サンプルの転送の合法性と実行可能性などにかかわるため、メイン実験室の選定に慎重に考えなければならない。
1、疾病の流行病学の情況について
疾病の流行病学的特徴は、薬物開発で最も早い段階で考えるべき問題で、薬物開発方策の制定に非常に重要な指導的な意味を持っている。主に考慮に入れるべき要素は発病率と罹患率、病因、危険な要素、予後状況などである。
発病率/罹患率:発病率と罹患率の異同は主に所在国臨床需要の重要性に関する判断および臨床試験被験者研究の難易度分析に影響を与える。他方では、発病率が異なる疾病の場合、その安全有効性に関する評価(エンドポイントの評価原則を含む)および利益とリスクのトレードオフも異なるかもしれません。そのため、同一臨床試験結果について、異なる国と地域の監督管理機構はそれぞれ異なる審査批准の結論を出す可能性がある。
病因と危険な要素:同一疾病であっても、流行病学の研究で発見した病因と危険な要素が違うと、薬物安全有効性の評価結果も違ってくる可能性がある。薬物の研究と評価で、異なる有効性をもたらす要素によって開発方略を制定しなければならない。例えば、ある疾病の研究では疾病類型によって異なる地域の患者を選ぶことができるが、ある疾病の研究ではウィルス学、細胞学または分子生物学的特徴によって患者群を分類する。これにより異なる患者群が同一国際共同治験の被験者となり、試験の結果に影響をもたらし、又は所在地の患者を代表できなくなることを防止しなければならない。
予後状況:異なる国と地域の同一疾病の転帰と予後状況が違う場合、薬物臨床試験の治療効果評価に影響を与える可能性がある。そこで、完全な流行病学資料が非常に重要で、少なくとも予後に影響を与える要因にどう対応するかある程度理解できる。完全で系統的な流行病学資料が欠ける場合、各国または各地域間の差異の比較と研究が困難になる恐れがある。必要時は、まず関係研究(文献の復習と分析)を行い、基本データを獲得したうえで、系統的な臨床試験を展開しなければならない。
2、医療実践の差異
現在、医療分野のグローバルな交流は幅広く行われ、根拠に基づいた医療で得た証拠によって世界中の、または各地域、各国の診療マニュアルは作成されている。一部の疾病については、各国の診療マニュアルが比較的類似する治療方案を推薦した。同一治療方案を使用する場合さえもある。しかし、疾病の差異、医療実践と資源の違いにより、各国は多くの疾病治療における異なるマニュアルを作成し、疾病の診断方法、診断基準、治療方案などに、ある程度の差異がある。
国際共同治験の方案を設計する際には、各国医療実践の差異がもたらす診断基準、治療原則、対照薬選定など諸方面における違いに非常に注意しなければならない。
3、薬物代謝の差異
現有の研究成果が示したように、一部の薬物は異なる地域の患者を治療する際に、薬物動態学の方面において顕著的な差異が現れた。同じ地域の患者を治療する際にも、ある程度の差異が存在する。
薬物の体内における代謝に影響をもたらす要素について、明確化された内外因のほか、例えば、薬物間の相互作用(各国で許可された医薬品の違い、マニュアルが推薦する薬物の違い、医者の薬物使用習慣の違いなど)、飲食による影響(高タンパク質の飲食構造)、文化と生活習慣などの多くの外因も薬物の有効性と安全性に影響を与える可能性がある。グローバル開発戦略の一部として、申請者は国際共同治験の方案を設計する前に、民族または国と地域間の差がもたらす潜在的な要素を十分に考えなければならない。
4、用量の選定
用量選定の合理性は国際共同治験の肝心な内容の一つである。上述した現れる可能の内因または外因は、いずれも各地域と各国の使用する最適な用量の選定に影響を与える可能性がある。民族差が薬物代謝にもたらす影響のほか、医療実践の差(各国医療マニュアルの差も含む)がもたらす影響にも注目しなければならない。各国または地域の治療方策が異なるため、研究設計における用量選定の差をもたらす可能性もある。なお、用量を選定する際には、各民族の患者の耐性などの要素にも注目しなければならない。
5、対照薬の選定
国際共同治験は使用する予定の対照薬を十分に論証し、当該対照薬が関係国で批准された適応症、アクセス問題および使用情況などにも注目しなければならない。また、診療マニュアルが異なる場合、ゴールドスタンダードとしての治療用薬物が異なるなら、対照薬を選定する根拠も検証する必要がある。プラシーボを使用する場合、異なる国と地域の倫理委員会などの審査批准手順と標準の差異を十分に考えなければならない。
6.有効性評価の指標
中枢的国際共同治験の場合、ニーズによって統一な主要指標に対してのエンドポイント判定委員会を設立し、主要治療効果指標の独自評価を統一的に行うよう建議する。メイン実験室を設立し、重要な実験室指標を統一的に検査し、研究成果の客観的な一致性を保証しなければならない。言語、文化に関わる評定尺度の応用については、慎重に考え、異なる試験センターがかかわる地域と国で評定尺度の効果と信用度を検証し、評価用ツールの科学性と信憑性を確保しなければならない。
7.サンプル量への考慮
法律体系の違いによって、各国または各地域は登録申請を行う際に臨床試験症例数に対する異なる要求があるかもしれません。各国または各地域の法規と抵触しないという条件のもとで、異なる国と試験センターの合理的なサンプル量を満足させ、科学と法規の確実な根拠を提供しなければならない。臨床試験設計を行う際には、その全体設計が統計学的に要求される科学原則に従うのはもちろんのこと、疾病の流行病学的特徴、選定サンプルの代表性など多くの関係要素も考慮に入れ、各地域と各国に割り当てる症例数を確定しなければならない。
8.その他の統計学的な考慮
国際共同治験は、サブグループの分析評価結果と全体結果が傾向の一致性を持つかどうかを統計する方法を事前に設け、特に重要な指標(主要治療効果指標と重要な副次的治療効果指標)について、サブグループ間の比較を行い、差異の傾向を分析しなければならない。
被験者グループ全体の現れた安全性情報については、関係要素を分析し、各サブグループで関係要素を捜さなければならない。サブグループ(国と地域)間で一致性検査を行い、差異が発見した場合は、分析、処理し、差異の出自、重要度および許容性を明確化にしなければならない。
9.有害事象/副作用情報の収集と評価
方案で決定した統一的な要求と原則に従い、有害事象と副作用のの情報を収集し、評価する必要がある。独立したデータ安全モニタリング委員会を設立し、研究の品質と規範性を保証するよう提案する。申請者はICHマニュアルおよび各関係国と地域の要求に従い、良好な交流メカニズムを確立し、各研究センターおよびその所管の監督管理当局に定期的に安全性関係情報を報告し、その報告の記録を保存しなければならない。重要な安全性事象または有効性問題、(データ安全モニタリング委員会、倫理委員会、監督管理機関などの下した決定を含む)にかかわる場合、申請者は3日以内に中国の監督管理機関および関係機構と担当者に通達しなければならない。
10.その他の考慮
(1) 独立したデータ安全モニタリング委員会
サンプル量が比較的大きく、研究時間が比較的長い場合、特に臨床事象による主導された中枢な研究については、独立したデータ安全モニタリング委員会を設立し、明確な業務メカニズムと手順を確定しなければならない。中国患者の割合が20%を超えた研究の場合、中国の専門家をグローバルで核心的独立したなデータ安全モニタリング委員会に参加させる必要がある。
(2) 独立したエンドポイント判定委員会
人為的要素が研究成果の判定に影響を与える可能性がある場合、例えば映像学的評価結果をエンドポイントとする中枢国際共同治験の場合、統一した主要研究指標に対するエンドポイント臨床事象判定委員会を設立し、主要治療効果指標に対する独立した判定を統一的に行わなければならない。中国患者の割合が20%を超えた研究の場合、中国の専門家を独立したエンドポイント臨床事象判定委員会のメンバーに参加させる必要がある。
(3)メイン実験室、血液と組織のサンプルの輸送と検査
主要治療効果と重要な安全評価指標を実験室評価指標とする際には、メイン実験室を設立して統一的な検査を行うよう提案する。地域的なメイン実験室を設立する場合、実験室間の品質制御の一致性に関する検証を行い、実験結果の一致性と信憑性を保証しなければならない。血液または組織サンプルを海外に輸送して検査する場合、関係法律法規の要求に従わなければならない。
六、登録申請の報告に関する要求
申請者が国際共同治験のデータを我が国における登録申請に用いられる場合、完成した国際共同治験のグローバル研究報告書、統計分析報告書とデータベースおよびサポートとなる関係データを提出すると同時に、サブグループ研究の成果のまとめと比較、分析を行う必要がある。
研究報告書はまずグローバルな全体研究のデータをまとめ、分析しなければならない。次はアジア人グループの有効性と安全性と非アジア人グループと比較し、そ傾向の分析を行わなければならない。又、我が国の患者における有効性と安全性のデータとほかの国の患者のデータを比較し、その傾向の分析を行わなければならない。
終了もしくは失敗した国際共同治験の場合、申請者は研究成果の概要と原因などを監督管理機関に報告しなければならない。
七、方案変更に関する要求
研究プロセスで変更がある場合、原則として被験者リスクの増加と関わらない変更の場合、倫理審査をへて、届出手続きを行うことができる。例えば、方案における誤字の訂正など。被験者リスクを増加する変更にかかわる場合、申請の提出(例えば、用量の増加、研究時間延長など)を行わなければならない。
(一)申請する必要がある変更
申請者は臨床試験批准書を取得した後、被験者の安全に深刻な影響を発生したこと、試験目的または試験品質の変化があった場合、医薬品監督機関および倫理委員会に速やかに変更の内容と理由を報告しなければならない。主に以下の情況がある。
1、用量と投与時間の増加または被験者の人数が顕著に増加した場合。
2、安全性モニタリングまたは診断指標の増加又は減少で、試験の安全性と科学性に重要な影響を与える可能性がある場合。
3、主要研究者が変更した場合。
4、試験グループを増減した場合。
5、試験主要目的が変化した場合。
6、主要エンドポイント指標の変更で試験の安全性と科学性に重要な影響を与える可能性がある場合。
7、主要エンドポイント指標測量方法が変更した場合。
8、新しい毒理学的または薬理学的試験データが試験のリスクと収益比例を変えた場合。
9、試験エンドポイントが変更した場合。
10、選択基準/除外基準の変更で試験の安全性と科学性に重要な影響を与える可能性がある場合。
11、監査回数が減少した場合。
12、データ安全モニタリング委員会を廃止した場合。
13、試験用医薬品の変更によって投薬様式を変更する場合。
14、その他の場合。
(二)申請する必要がない変更
以下の変更事項は重要変更事項ではないため、監督管理機関に申請する必要はないが、倫理委員会で届出手続きを行う必要がある(以下の事項を含むが限られない)。
1、試験の延長時間が総時間の10%以下の場合。
2、試験の延長時間が総時間の10%を超えたが、投薬時間が延長せず、試験エンドポイントも査察計画も変わらない場合。
3、単独試験センター(国)の被験者数を微調整し、総人数は不変か増加または減少の幅が比較的に小さい場合。
4、試験関係書類、例えばCGF、原始的データ記録票などを変更する場合。
5、安全性モニタリングを強化するが、予防措置とするだけで、緊急安全措置としない場合。
6、方案に対する簡単な説明と訂正を行う場合など。
申請者は方案変更前に医薬品監督管理機関および倫理委員会に申請または届出手続きを行わなければならない。被験者への即時傷害を防止するために、方案を変更する場合、変更後に速やかに申請または届出手続きを行い、理由も説明しなければならない。適応症の増加または変更に関する申請の場合、新しい方案に基づき改めて申請しなければならない。
方案変更に対する評価を速めるために、変更関係書類では変更した部分を目立たせるようなか変更前後対照表を用いなければならない。変更内容が複雑で何カ所もある場合、修正記録のある書類および元の書類と変更後の書類を提出する必要がある。
八、現場検査に関する要求
医薬品監督管理機関はリスク評価の原則および審査評価の需要に基づき、国際共同治験登録関係現場検査又は必要に応じて行われるその他の理由のある検査を行うことができる。現場検査は申請者、CRO、研究者と倫理委員会などの各関係者を相手に、臨床試験にかわわる各国または各地域で検査を実施することができる。
(一)登録現場検査の発起
国際共同治験の登録申請については、国家食品医薬品監督管理総局医薬品審査センターはリスク評価の結果によって、相応する臨床試験センターを選定し、総局医薬品査察検査センターに通知して現場検査を実施する。
(二)検査の準備
海外で現場検査を行う場合、通常では予め申請者に現場検査実施の時間と場所などの情報を知らせる。申請者は現場検査の通知を受けた後、確実に特別な原因で現場検査を遅らせる必要があれば、総局の医薬品査察検査センターに書面で申請し、理由も説明しなければならない。理由もなしに現場検査を拒否若しくは現場検査に協力しない場合、現場検査不合格とする。申請者は総局医薬品査察検査センターに速やかに要求された関係資料を提出しなければならない。必要時に前もって関係資料を集めなければならない。
現場検査の主要内容は臨床試験方案、原始記録と総括報告書の一致性の検査、臨床試験実施過程が規範化しているかどうか、倫理要求に適うかどうかなどである。必要な時に臨床試験用医薬品製造、備蓄の条件および状況に関する現場査察を行い、臨床試験用医薬品の抜取検査を実施することができる。また、発見した問題に対し、必要な証拠を集める。
(三)検査実施場所の選定
現場検査の実施場所を選定する際には、以下の要素を含むが限られない。
1、被験者は人数が多く、グループに入るのが速く、SAEがたくさん発生したセンター。
2、有効性、安全性指標について、ほかのセンターとの差異が比較的に大きいか又はAEの発生率が明らかにやや低いセンター。
3、特殊被験者群にかかわるセンター。
4、所在国または所在地域の医薬品監督管理状況を充分に理解できていないセンター。
5、ほかのリスク上の要素
(四)法規違反行為に対する処罰措置
検査で欠陥を発見した場合、必要に基づいて検査の範囲を拡大し、他の試験センターまたは関係者を対象に検査を行う。申請者により一層説明できる資料を提出するよう求め、又は、より大きな範囲で査察を行い、規定違反の程度を確かめる。
規定違反が深刻な臨床試験の場合、その試験結果を登録申請資料としては受けない。関係国または関係地域の医薬品監督管理機関に通知する。
(五)監督管理機関間における検査情報のコミュニケーションと交流
医薬品管理機関は、他の国または地域の監督管理機関とのコミュニケーションと交流を深めることを通して、協力を強化し、監督管理の能率を高めることを目指す。
(出所:CFDAサイト2014-11-21)