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革新的化学薬品の臨床試験(単回及び反復投与試験)用量漸増薬物動態試験の技術ガイドライン
时间: 2022-07-07 |クリック回数:

革新的化学薬品の臨床試験(単回及び反復投与試験)

用量漸増薬物動態試験の技術ガイドライン

一、前書き

  薬物動態(Pharmacokinetics,PK)試験は、薬物の体内での吸収、分布、代謝、排泄の動的な変化と規則性を解明することを目的とする試験である。革新的医薬品の臨床PK試験は、薬物の体内動態を包括的に理解するのに役立ち、革新的医薬品の臨床研究を促進し、臨床的に合理的な薬物使用計画を作成するための重要な根拠となる。

  本ガイドラインは、革新的化学薬品の臨床開発の初期段階において、古典的なPK方法を使用し、単回および反復投与の用量漸増PK試験の推奨事項の提供を目的とする。

  本ガイドラインは、医薬品監督管理部門の現在の見解と認識を示しているのでに過ぎない。科学技術の発展に伴い、本ガイドラインの内容は絶えず更新され、改善される。本ガイドラインを適用するときは、他の関連する公表された技術ガイドラインも参照するものとする。

二、総合考察

  単回および反復投与の用量漸増PK試験、または薬物代謝物PK試験は、革新的医薬品の初期臨床研究の主要な内容の1つであり、その後の臨床研究における用量および投与方法の決定に重要な情報を提供できる。一般に、PK試験は、用量-曝露-反応の関係を十分に理解するために、広い用量範囲にわたって実施される必要があると考えられている。

  (一)単回投与用量漸増薬物動態試験

  単回投与用量漸増PK試験の目的は、人体における薬物および/または代謝物のPK特性を理解し、人体に薬物を単回投与する際のPKパラメーターを取得し、用量-曝露の比率関係の調査するものとする。

  単回投与用量漸増PK試験の設計は、入手可能なすべての非臨床情報、臨床試験データ、および同様の作用機序を持つ薬物に関する情報を考慮する必要がある。通常、単回投与用量漸増PK試験は、忍容性試験の中に実施されておりく、忍容性試験の各用量群においてPK試験を実施することが推奨される。

  被験者の安全を確保するために、試験プロトコルは慎重に設計されなければならない。通常、ヒトに最も関連すると予想される動物種における薬理学的メカニズム、in vivo/in vitro PK特性、および毒性試験の結果に基づいてヒトへの曝露量を予測し、対応するヒト用量に換算するものとする。

  単回投与用量漸増PK試験の用量設計は、通常、曝露量と安全性および忍容性を相関させながら、薬理学的に活性な曝露量の用量範囲を探索することを考慮している。非臨床試験の結果に基づいて、推定薬理学的作用量(Pharmacologically Active Dose,PAD)および/または予想治療用量(Anticipated Therapeutic Dose,ATD)の範囲は、PK研究の範囲を設定するための参照として使用できる。

  特に、開始用量での人体の曝露と、予め設定された最大用量まで用量漸増時の曝露を推定することに注意を払う必要がある。単回投与用量漸増PK試験の開始用量設計は、一般に、薬理学的に活性な曝露量の低用量を探索することを考慮し、最初のヒトでの忍容性試験の開始用量以上であり、予め指定された最高用量に達するまで、予め指定された用量漸増規則によって漸増する。

  (二)反復投与用量漸増薬物動態試験

  反復投与用量漸増PK試験は、単回投与用量漸増PK試験に基づいて実施され、その目的は、反復投与PKの特性を調べ、薬物の蓄積、変動の程度、投与時間におけるPKパラメータ(クリアランスなど)の変化などの特徴を把握し、後続の臨床試験における投与量、投与間隔、投与期間などの投与計画を策定するための根拠を提供する。

  異なる投与間隔と投与期間を設計する際には、対象適応症の特性、臨床試験薬の非臨床研究データ、前段階で完了した単回投与の研究データなどを考慮する必要がある。同時に、予想される濃度范囲内の用量-曝露比例関係の特性、消失半減期、薬物の効果の持続時間、蓄積状況などにも注目すべきである。

  安全性の観点から、反復投与用量漸増PK試験で予想される最大定常曝露(Cmax,ssおよびAUC0-τ)は、通常、完了した単回投与用量漸増PK試験の曝露最大を超えてはならない。完了した反復投与試験のデータから良好な安全性が示され、有効用量範囲を引き続き調査する必要がある場合は、予想されるリスクと予想されないリスクを十分に考慮し、適切に対処することにより、より高い曝露の調査を検討できる。

  (三)代謝物の薬物動態試験

  薬物代謝物は、有意な薬理または毒性作用を有するか、薬物の作用時間を延長または増強する酵素阻害剤として作用するか、血漿および組織の結合部位をめぐって競合することにより薬物の体内動態に影響を及ぼし得る。非臨床試験の結果、代謝物が安全性と有効性に影響を与える可能性が示唆された場合、単回/反復投与用量漸増PK試験において、主要代謝物のPK試験を同時に行うことが推奨されている。代謝物PK試験を行うことは、人体における薬物の生体内変換特性を理解するのに役立ち、後続の物質収支研究に必要なデータを提供する。

  (四)薬物動態/薬力学試験

  初期のバイオマーカーに基づく曝露-反応関係の研究および分析は、後続の臨床試験における投与計画の選択と最適化の指針となる。薬剤の用量-曝露-反応の関係をできるだけ早期に確立し、後続の臨床試験設計の根拠とするために、患者を対象とした試験やバイオマーカーの変化を反映した健常被験者での試験など、適切な条件下で、単回および反復投与用量漸増PK試験において可能な限り薬力学(Pharmacodynamics,PD)指標データを収集することが推奨される。

三、試験設計

  単回および反復投与用量漸増PK試験の設計は、情報取得を最適化し、無意味な研究用量への被験者の曝露を最小限に抑える一方、被験者の安全保護に基づいて、不必要なリスク曝露を回避するように試験設計も最適化する必要がある。試験設計は、既存の非臨床試験および類似薬物の安全性と有効性の情報に基づいて、次の内容に着目する。被験者集団;投与経路;開始用量、最大用量/曝露、用量漸増の方式;最長投与期間、投与速度/頻度;同じ用量群での被験者の投与間隔;リスク管理計画;次の用量群または試験へ移行する前に評価すべき内容;用量群ごとのサンプルサイズ;反復投与による蓄積;サンプリング設計;安全性および/または有効性の評価指標、評価方法、評価頻度など。

  (一)被験者集団

  被験者集団は、研究目的に応じて選択されるべきである。単回および反復投与用量漸増PK試験は、一般に、PK結果に対する他の要因からの干渉を最小限に抑えるために、健常成人被験者を選択する。

  薬物の有効性を早期に調査し、PK/PD関連性を取得し、後続試験の重要な基礎を提供するために、患者を対象として選択できる。安全性および倫理的配慮(抗腫瘍薬など)から健常被験者を登録できない場合、または健常被験者で試験を実施する必要がない場合は、患者を対象としてPK試験を実施することができる。

  被験者集団を選択する際に考慮すべき特定の臨床的要因には、以下が含まれるが、これらに限定されない。

  予測可能な薬物関連毒性/リスクが健常被験者を組み入れることを支持するかどうか;

  健常被験者と対象患者における標的の差異;

  患者集団によって、PK、PD、及び安全性のばらつきが大きくなる可能性がある;

  対象患者集団と健常被験者の間で、PK、PD、安全性における潜在的な差異;

  被験者のライフスタイル(喫煙、飲酒、薬物乱用など)に関係する可能性のある相互作用;

  患者は、PKまたはPD特性に影響を与え、副作用を生じ、および/または結果の解釈を困難にする併用薬を使用すること;

  患者が他の薬物や介入措置からベネフィットを受ける可能性;

  臨床試験薬の予想される治療域;

  年齢、性別、体重、人種、遺伝子型、肝/腎不全など、人口統計学的特性に関連する要因。

  健常被験者対象とする研究では、組入と除外の基準として、一連のバイタルサイン、心電図、臨床検査、臨床観察および評価などを考慮すべきである。通常、これらの指標は正常範囲内であるか、正常範囲を超えるが、臨床的意義はないものとする。

  (二)サンプルサイズ

  サンプルサイズは、PKおよび/またはPDパラメータの変動(代謝酵素に起因する変動など)および研究目的に関連する。サンプルサイズは、取得したPKおよび/またはPDパラメータの精度にも影響する。各用量群のサンプルサイズは、事前に定義されており、設定の根拠は試験プロトコルに記載する必要がある。

  PKおよび/またはPDパラメータの変動は、主に薬物要因、被験者要因(遺伝子多型、性差、民族差、生理的状態、病理学的要因など)、臨床試験の品質管理、試験指標の測定に由来する。

  一方、試験設計(単回投与または反復投与など)、被験者の脱落率、研究サイトの数、および各研究サイトに登録された被験者数も考慮する必要がある。

  (三)用量選択

  用量選択は、忍容性試験の用量設計と組み合わせて包括的に検討することができる。

  単回および反復投与用量漸増PK試験では、臨床試験の用量漸増基準を試験プロトコルで指定し、隣接する用量群間の用量/曝露の最大増加倍数、および評価される用量群の最大数を明確する。用量選択は、推定の曝露、潜在的な副作用、潜在的なPD反応を考慮する必要がある。隣接する用量群における増量は、非臨床試験又は臨床試験で確認された用量/曝露-反応(有効性と安全性)関係を指針として、用量/曝露-反応(有効性と安全性)曲線の傾きとこれらの関係の推定における不確実性を考慮する必要がある。

  試験で得られた新たな臨床データが、非臨床データまたはモデルシミュレーションによるデータとの大幅な差異を示唆した場合、計画した用量の調整が必要となる場合がある。計画用量の変更は、用量-反応曲線の傾きと標的飽和度などの要因を考慮に入れる必要がある。入手したデータから、暴露が定常状態に近い、または定常状態に到達していることを示唆される場合、用量漸増ステップを決定する際にこの点を考慮に入れる必要がある。用量-曝露が超線形的に増加する可能性のある薬物については、被験者の安全を確保するために、特に単回および反復投与用量漸増PK試験の後期段階において、用量漸増の割合を制御するよう注意する必要がある。

  ヒト初回投与試験の設計においては、非臨床試験データ(動物および分子レベルなど)を十分に組み合わせて、最大曝露を予め設定する必要がある。後続の試験設計は、取得した人体PK、PD、安全性などの研究データを十分に考慮する必要がある。

  入手可能なすべての非臨床および臨床データに基づいて、最大暴露の妥当性を証明するものとする。必要に応じて、標的飽和度も考慮し、標的の完全な阻害または活性化を達成するための最大曝露を推定する必要がある。場合によっては、曝露を十分に検出できない試験では、最大用量を予め設定する必要がある。患者を登録した試験において、初期に最大耐量(Maximum Tolerated Dose,MTD)が決定されている場合、MTDを超えてはならない。用量範囲を決定する際には、推定された治療/臨床関連用量(曝露量)およびベネフィット/リスクのバランスを常に考慮しなければならない。

  薬物代謝物PK試験は、一般に、薬物代謝物の用量-曝露関係、蓄積などを明らかにするために、単回および反復投与用量漸増PK試験の1つまたは複数の用量群で同時に実施される。

  (四)サンプリング設計

  非臨床試験の結果、予測および/または取得した人体PKデータお、並びに製剤の特性と併せて、合理的なサンプリング時点を決定し、人体おける薬剤のPKプロファイルを完全に記述するために、吸収、分布、消失相を含むべきである。試験設計は、食事、時間、その他の要因の干渉を考慮しなければならない。

  一般的に、反復投与用量漸増PK試験では、定常状態に達するかどうかを判断するために、少なくとも3つのトラフ濃度データを収集する必要がある。研究の目的に応じて、最終投与後に一連の血液サンプルが採取される場合がある。

  尿/糞サンプルを同時に採取する場合は、できるだけ排泄開始、排泄ピーク、排泄終了の全過程を含むように、投与前の尿/糞サンプルと投与後の異なる時点の尿/糞サンプルを採取するものとする。

  PK研究におけるPD指標の検出を奨励する。これにより、革新的医薬品の曝露-反応関係を確立するのに役立ち、目標用量、投与計画、臨床投与の安全性と有効性を探索するための科学的かつ合理的な根拠を提供する。PD指標の測定が必要な場合、曝露-反応曲線の各段階をできるだけカバーするように、生理的および病理的状況に応じて適切なサンプリングポイントを設計する必要がある。

  また、研究目的に応じて、動脈血、唾液、脳脊髄液、気管支肺胞洗浄液、角質層、皮膚マイクロダイアリシスのサンプリング、創傷滲出液など、追加のin vivoサンプルをPK試験のために採取することができるが、これらに限定されない。これらのサンプリング方法の特殊性に鑑み、サンプリングの一貫性を確保するため、試験前に標準化されたサンプリング手順(サンプリング装置/機器を含む)を確立し、試験プロトコルにサンプリングプロセスとサンプリング時点を明確に記載する必要がある。

  (五)検出物質

  一般に、PK試験の分析対象は、未変化体である。活性代謝物、代謝物量が多い場合、または薬物の曝露-反応関係に影響を及ぼす場合は、研究目的に応じて代謝物を検出することが推奨される。人体の代謝物が非臨床動物試験で特定されているものと異なる場合には、特に注意すべきである。単回および反復投与用量漸増PK試験プロトコルを設計する際に、上記の重要な代謝物のPK特徴も十分に考慮されるべきである。

  (六)その他の考慮

  単回および反復投与用量漸増PK試験設計は、以下の要因が薬物のPKへの影響を考慮する必要がある。上記の要因については、食物、投与方法、年齢、性別、体重、遺伝子多型、疾患状態、肝/腎不全、製剤、併用薬などが含まれるが、これらに限定されない。

  食物要因

  食物は、胃内容排出に影響を与え、胃腸の蠕動運動を変化させ、胃液のpHを変化させることにより、薬物の吸収速度および程度に影響を与える可能性がある。一部の食品には酵素阻害剤または誘導剤が含まれており、主にこれらの酵素によって代謝される薬物と食品間の相互作用を起こす可能性があり、特にこの代謝酵素に遺伝子多型がある場合には、その影響がより大きくなる可能性がある。

  一般に、初期PK試験に空腹投与の設計が推奨される。空腹投与が適切でない場合は、臨床試験食が試験結果に与える影響を最小限にするように設計する必要がある。

  投与方式

  投与方式の選択は、主に臨床試験薬の物理・化学的特性、生物薬剤学試験データ、非臨床試験データ(注射部位刺激性、溶血試験など)、バイオアベイラビリティおよび提案された治療用途などに基づいて行われる。投与方式が異なる薬物のPK試験における検討事項は様々であり、例えば、注射方法や注射時間の違いは、薬剤の曝露や忍容性に影響を与える可能性がある。臨床試験薬が皮下、筋肉、静脈などの異なる投与経路に関連する場合、初期のPK試験では、異なる投与経路がPKおよび/またはPDに与える影響を検討する必要がある。

  全身への吸収が少ない局所投与薬は、全身曝露と有効性の間に用量反応関係を持たず、安全性と関連する可能性があるPK試験では、標的部位のPKを探索することに加えて、全身循環でのPK特性も調べ、in vivoでの薬物曝露と安全性の関連性を調べる必要がある。

  年齢要因

  被験者集団を選択する際には、異なる年齢層における生理学的要因がPK特性に及ぼす影響を考慮する必要がある。以下では、高齢者と小児を例にして、年齢によるPK特徴の違いを説明する生理学的な理由と試験設計の考慮を述べることにする。

  高齢者では、胃酸分泌の低下、消化管機能の低下、消化管血流の低下、体内水分の減少、脂肪成分の割合の増加、血漿タンパク質の含有量の減少、ネフロン、腎血流および糸球体濾過量の減少、肝血流の低下、機能的肝細胞の減少などのより、高齢者における薬物の吸収、分布、代謝、排泄に相応の変化が発生する。臨床試験薬が成人と高齢者に適用される場合、まず成人のPK情報を取得し、更なる開発の見込みがある場合には、高齢者集団のPK試験を補足することが多い。

  小児集団の薬物代謝酵素、排泄特性、およびトランスポーター機能特性は、成人のそれと異なり、薬物の吸収、分布、代謝および排泄プロセスに影響を及ぼし、その結果、体内での薬物曝露、代謝物の割合、主要代謝経路が小児集団と成人の間、また小児集団の異なる年齢層内で異なる可能性がある。小児集団におけるPK試験を実施する場合、まず成人を対象とした単回および反復投与用量漸増PK試験を実施し、それを基に小児集団における試験を実施することが多い。

  性別要因

  臨床試験薬が片方の性別しか適用できない場合は、片方の性別でPK試験で実施できるが、それ以外の場合、原則として両方の性別を含むPK試験を実施することが推奨される。

  遺伝子多型要因

  非臨床データおよび過去の臨床試験データが、人体の遺伝子多型がPK特性に影響を与える可能性を示唆している場合(例えば、in vitroのデータから、in vivoで50%以上の薬物が単一遺伝子多型酵素によって除去されることが予測される場合)、あるいは過去のin vivo試験で有意な多型の影響が示された場合(例えば、未変化体の25%以上が遺伝子多型酵素によって除去される場合)、PK試験において遺伝子多型のPK特性への影響を検討することが推奨される。

  革新的医薬品の臨床試験の初期に関連試験を実施することで、遺伝子多型による有効成分の曝露の違いから生じるPKの差異、安全性および有効性の問題を避けることができる。状況に応じて、PK試験設計で、代謝の速い、普通、遅い被験者に対して層別化することが考えられる。このような試験は、検証的臨床試験を開始する前に完了し、研究結果を検証的臨床試験プロトコルの設計上の考慮に組み入れるべきである。

  併用薬の要因

  患者を対象として単回および反復投与用量漸増PK試験を実施する場合、時には他の薬物を併用し、薬物相互作用が生じる可能性があり、臨床試験薬のin vivo PK特徴を変化させる可能性もあり、試験設計およびデータ分析において、これらの関連要因を考慮すべきである。試験プロトコールにおいて、臨床試験薬との相互作用を引き起こす可能性のある併用薬を除外する必要がある。

  製剤要因

  PK試験の結果は製剤と関連しており、初期臨床試験で使用した製剤が後日変更された場合、初期臨床試験で得られたPK試験データを合理的に使用できるように、変更に応じて変更後のブリッジデータの補完を考慮する必要がある。

  疾患状態の要因

  患者集団を被験者集団として使用する場合、疾患の異なる状態が薬物の吸収、分布、代謝、排泄に及ぼす潜在的な影響を考慮しなければならない。

四、データ分析

  (一)薬物動態パラメータの推定

  個々の血中濃度-時間データは、ノンコンパートメントモデルやコンパートメントモデルなどの方法によってPK分析を実行できるが、このうちノンコンパートメントモデルは、集中サンプリングPK試験で最も一般的に使用される方法である。

  さまざまな研究データを効果的に統合し、科学的かつ合理的なデータ処理と統計手法を選択する必要がある。データをコンピュータで処理する場合は、使用するプログラムの名称、バージョン、ソースを明記し、その信頼性を確認する必要がある。試験で得られた各被験者の血中濃度データに基づいて、個々の被験者の濃度時間曲線と各群の被験者の平均濃度時間曲線を描き、薬物の主要なPKパラメータの算出により、薬物の体内での吸収、分布と排泄の特徴を総合的に反映させる。

  単回投与用量漸増PK試験の主なPKパラメーターは、Tmax、Cmax、AUC(0-t)、AUC(0-∞)、VdまたはVd/F、Kel、t1/2、MRT、CLあるいはCL/F、尿/糞中排泄率(該当する場合)などである。特定の状況に応じて、PKパラメータの試験結果を提供する必要がある。

  反復投与用量漸増PK研究には、上記のパラメータに加えて、Cmin,ss、Cmax,ss、Cav,ss、AUC0-τおよび定常変動係数(DF)、蓄積因子などが含まれる。各PKパラメータは、データ分布に基づいて算術平均、標準偏差、ばらつき、幾何平均、最大値、最小値などを提供する必要がある。Tmaxについては、中央値および範囲が提供される必要がある。特定の状況に応じて、PKパラメータの試験結果を提供する必要がある。

  (二)用量-曝露-反応関係分析

  用量-PK曝露パラメータプロット図と記述統計分析を使用して、異なる用量群を投与した場合の用量によるPK曝露パラメータ値の変化法則を比較することができる。主要なPK曝露パラメータが対数正規分布を示すことを考慮し、得られたPK曝露パラメータについて、パワーモデル(Power Model)などの手法を用いて用量-曝露比例関係の分析を行うことが推奨されている。

  試験でPD指標を考察する場合、曝露-反応関係の研究と分析も行うべきである。

  (三)複数試験データのプール解析

  複数の臨床PK試験がある場合、これらの試験データをまとめて分析することができる。その際、異なる試験における被験者集団、投与計画、臨床試験薬の剤形、サンプリング設計、試料分析方法などの設計要素の類似点および相違点を考慮する必要がある。

  (四)その他

  試験設計とデータ状況に基づき、他の探索的分析を行う。

五、研究報告

  研究報告書には、被験者集団の選択、サンプルサイズ、用量、および推定曝露量(もしあれば)などの臨床試験におけるで考慮すべき重要な設計について、その根拠を提供する必要がある。研究報告書と附属書には、被験者の個々および平均血中濃度、濃度時間曲線(片対数プロットを含む)、PKパラメーターなどを記載し、用量-曝露比例関係を分析する必要がある。研究においてPD指標を収集した場合、適切なPK/PD相関分析を行うか、または適切な場合には、PK/PD分析が個別分析報告として報告するものとする。

  研究データが十分な場合は、年齢、性別、人種、体重、肝・腎不全、遺伝子多型、食事の影響、薬物相互作用など、PKに影響を与える可能性のある関連因子の1つ以上について分析することができる。

  研究報告書は、研究目的を達成し、革新的医薬品の人体におけるPK特性を予備的にまとめ、用量-曝露比例関係、薬物の人体への蓄積および暴露-反応などを分析し、後続の臨床試験のための参考根拠とすることができるものとする。

六、参考文献

  < >国家薬品監督管理局.『化学薬品臨床薬動態試験技術ガイドライン』.2005。国家薬品監督管理局.『革新的医薬品臨床薬理学試験技術ガイドライン』.2021。European Medicines Agency. Guideline on strategies to identify and mitigate risks for first-in-human and early clinical trials with investigational medicinal products, EMA/CHMP/SWP/28367/07 Rev.1/, Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP) 20 July 2017.European Medicines Agency. Guideline on the use of pharmacogenetic methodologies in the pharmacokinetic evaluation of medicinal products, EMA/ CHMP/37646/2009 Committee for Medicinal Products for Human Use (CHMP) 12 December 2011.国家薬品監督管理局.中国薬局方『9012生体試料定量分析法のバリデーションに関するガイドライン』.2020。

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