148品目が新規収録、150品目が削除
2019年8月20日、国家医保局、人社部は新版「国家基本医療保険、公傷保険と生育保険関係医医薬品目録」(以下「医医薬品目録」と略称。)を発布した。新版医医薬品目録は2643品目の医薬品を収録し、そのうち、新規収録医薬品が148品目、削除された医薬品が150品目で、実施開始日が2020年1月1日である。
紹介により、今回の医医薬品目録修正は構造の最適化、新規収録と削除の同時進行という方針を堅持し、医療保険基金使用効果の向上に力を入れ、一部の治療効果が確実で、価格が合理的な医薬品を新規収録した。削除された品目は主に国家薬品監督管理部門に承認書番号を取り消された医薬品および臨床的価値が高くなく、明らかに濫用され、より良い代替品が存在する医薬品である。なお、専門家は目録における濫用されやすい医薬品の一部、主に抗生物質、栄養剤、漢方注射剤などに対して、さらに限定給付管理の強化を目指した。
必須医薬品、重大疾患治療薬などを優先的に収録
通常品目を見れば、調整前後品目数の変化は大きくないが、医薬品構造の変化は比較的大きい。今回発表した通常品目は全部で2643品目で、西洋医薬品の1322品目、漢方薬の1321品目(民族薬の93品目を含む)を含む。加工済み漢方薬材は導入法で管理され、892品目が収録された。通常品目は、漢方薬と西洋医薬品のバランスが基本的に保たれ、甲類医薬品の数量が適当に増加した。医薬品目録に収録された甲類医薬品は640品目で、2017年より46品目増加し、そのうち、西洋医薬品が398品目、漢方薬が242品目であった。
合理的な医薬品臨床使用ニーズを更に満足させるため、今回の医薬品目録調整で148の通常品目新たに加えられた。そのうち、西洋医薬品が47品目、漢方薬が101品目だった。
国家医保局医薬服務管理司の熊先軍司長は、新規収録した医薬品は優先的に考慮に入れなければならない必須医薬品、がんや希少疾患、重大疾患などの治療薬、慢性病治療薬、小児医薬品などをカバーしていると述べた。そのうち、通常品目として新規収録された重大疾患治療薬が5品目、糖尿病などの慢性疾患の治療薬が36品目、児童用医薬品が38品目だった。ほとんどの必須医薬品は通常品目または収録予定医薬品のリストに入選した。そして、74品目の必須医薬品は乙類から甲類に変更された。
重点モニタリング品目が削除
医薬品の削除について、新版医薬品目録から削除されたのは150品目だった。国家医薬品監督管理部門に承認書番号を取り消された医薬品のほか、79品目も削除された。
注目すべきのは、今回の目録修正で、専門家が国家衛生健康委員会が6月に発表した国家重点モニタリングと合理使用医薬品目録(第一陣)を主に参考とし、特別な論証をへて、国家医療保険関係医薬品目録から重点モニタリング医薬品をすべて削除することを全員一致で決定した。それらの品目を見ると、年間販売量の多い品目もあり、一部の医薬品メーカーの生産と経営に影響を及ぼす可能性がある。しかし、専門家の審査意見によると、このような医薬品を目録から削除することは、より多くの救命救急の良い薬を収録するためのスペースをつくるのに役立ち、関係業界におけるモデルチェンジとレベルアップの加速化にも有利であるという。
熊先軍氏は次の段階で、国家医保局は地方への指導を強化し、目録の早期利用を確保し、新規収録した重点品目のモニタリングを強化し、収録後の管理を強化すると述べた。
128品目お医薬品が収録交渉予定リストに入選
業界で注目度が高い収録交渉予定リストについては、熊先軍氏は、国家医保局は臨床的価値が高いものの、価格も高く、または医療保険基金に大きく影響する特許独占医薬品について、専門家による審査と投票の結果に基づき、128品目を収録交渉予定リストに入れることになり、そのうち、西洋医薬品が109品目、漢方薬が9品目であると述べた。それらの医薬品の治療領域は主に癌、希少疾患、重大疾患およびC型とB型肝炎、高血圧、糖尿病などの慢性病といった病気である。そのうちの多くは近年、国家薬品監督管理部門が承認した新薬であり、中国国内における重要な創薬も含まれている。
「我々は手順に従って収録交渉を速く開始し、関係企業と意思疎通し、企業に交渉資料の提出を求め、医薬品経済学と医療保険管理の専門家を集めて評価と現場相談を行い、双方が認める全国統一支払基準を定めた上で、関係手順によって関係品目を目録に収録する」と同氏は言う。
また、交渉予定の医薬品が多いため、今回の交渉には成功率を求めないと強調した。このほか、2017年医薬品目録収録交渉リストに入った36品目については、そのうちの31品目が国内でジェネリック医薬品がまだない医薬品に対し、価格交渉を継続する方針を示した。
(出所:中国医薬新聞 2019-08-22)