中国と日本の医薬品規制当局は、新薬登録に対し、それぞれ特別審査批准に関する関係法律、省令、局令及び規定を持っている。最近、中国国家食品薬品監督管理局医薬品審査評定センターの関係者はこれについて学術的文章を発表した。両国の関係ある管理体制についての紹介及び比較を通じ、相互に学びあい、絶えず管理バターンを最適化させ、患者の医薬品利用に役に立つようにはかる。
一、日本での方策
新薬登録に対する特別審査批准プログラムは日本で「優先審査」と言われ、おおむねに二種類の医薬品が当該プログラムに入られる。一つは希少疾病用医薬品であり、もう一つは希少疾病を除く新薬である。
希少疾病用医薬品に対する審査管理方式について、日本の薬事法でははっきり規定され、厚生労働省に希少疾病用医薬品であると認められると、優先審査を実施する。
希少疾病を除く新薬に対する優先審査事項に対し、厚生労働省食品医薬品局は2011年9月1日に薬食審査発0901第1号文を発布した。当該文書はこれまでの各関係通知を踏まえて、より一層希少疾病を除く新薬に対する優先審査及び優先相談などの事項を明確し、また2011年10月1日から施行した。同時に2004年2月27日に発布した同名の規定は廃止された。
独立行政法人医薬品医療器械総合機構は、希少疾病用医薬品又はその以外のその他の新薬について優先審査を希望する場合、審査上の関連問題を早い段階で整理、解決し、遅延なく決定をするように、可能な限り、事前相談又は事前評価相談及び医薬品優先審査品目に対応する相談を利用するようにアドバイスする。
二、中国での規定
中国現行の「医薬品登録管理規則」(局令第28号)第四章第四十五条では、四種類の場合に当てはまると、特別審査批准プログラムを実施ことができると規定された。国家食品薬品監督管理局は2007年に「医薬品登録特別審査批准プログラム実施規則(暫定)」(意見求め案)を発布し、2009年1月9日に正式に「新薬登録特別審査批准管理規定」(国食薬監注[2009]17号、以下「規定」と称す)を発布し、実施した。当該規定は特別審査批准の対象となった新薬登録申請に対し、「早期介入、優先審査、多ルートのコミュニケーション、動態に資料補足」という全体的原則に基づいて、新薬登録における特別審査批准の条件、プログラムと要求を詳細に規定し、申請者が新薬登録特別審査批准のプロセスにおいて持っている権利と負わなければならない義務を明確した。
当該規定が発布してから、国家食品薬品監督管理局医薬品審査評定センターは2009年3月2日に「特別審査批准品目単独に資料作成指導意見」、「特別審査批准品目コミュニケーション業務メカニズム実施細則」、「特別審査批准品目コミュニケーション会議要録作成様式」、「特別審査批准品目公示情報」などの公文を発布し、規定の中にある関係内容を対象に詳細な紹介を行い、操作の段取りとやり方を規定した。その目的は規定した関係業務をよく運ぶためである。
三、比較・検討
日本での医薬品規制は中国より早く発足し、1960年に薬事法を発布し、また、絶えず修正を行い、現在までに比較的に完璧なものであると言える。中国では、医薬品に対する監督管理は遅くスタートしたにもかかわらず、模索、総括及び学びを通じ、その理念が中国の実情に結びながら国際の歩みについている。国家食品薬品監督管理局は2007年に局令28号を発布してから、相次いで各実施細則を発布していた。
中国と日本は管理バターンは少し違いがあるにもかかわらず、一部の医薬品を対象とする特別審査批准プログラム、或いは優先審査に対するやり方は、その初志が一致である。即ち新薬開発を奨励し、また重い疾病又は希少疾病に苦しめられている患者に安全かつ有効な治療医薬品を迅速に提供するためである。いろいろな措置を通じて、この類の医薬品の申請、審査評定、審査批准などの各プロセスに「グリーン通路」を開くのをはかっている。
中国と日本の医薬品規制当局はそれぞれ「グリーン通路」に入ろうとする品目が具えなければならない条件を明確化し、申請者にアドバイスを出し、各種の相談メカニズムをうまく活用するよう望んでいる。例えば、中国はこのような品目に単独な相談通路を開き、日本は優先相談順序の方式をとっている。その目的は早期介入、早期に問題を見出し、解決することによって、科学で合理的なやり方で特別品目の開発に要する時間をより一層短縮させるためである。情報公開の面において、両国は一致して批准してから情報を公衆に公開するという方式を選んだ。
中国と日本は監督管理において一部の相違が存在しているにもかかわらず、相違に対する比較は方策改善に参考にすることができる。例えば、中国は未だ希少疾病用医薬品に対するはっきりとした定義と認定をもっていない、しかし、日本を含めた多数の国と地域はこのような医薬品に対して多分野においてサポートと優遇を与えている。また、日本では、一つの品目が多数の適応症を持っている場合に対する異なる取り扱いをとっている。しかし、中国の規定にはこのような表れがない。実際に操作する際には、このような場合が生じる際に、日本の現在の方式を参考にすることも可能だろう。そのほかに、中国は新薬登録に対する特別審査批准に関する管理において、受理、審査評定、審査批准などの各管理プロセスを実施する過程中に絶えず整備しつつあるので、国外の管理バターンを参考にし、同時に各方面よりの理解及びサポートを得る必要があると考える。
(出所:CDEウェブサイト 2012年01月14日)