2006年~2007年と2011年~2012年の期間は、薬品特許期限が満期になったという二つのピーク時期である。2010年に、人目を引く重要な事件が二つあった。一つ目はいわゆる「特許の絶壁」はもう遠くないということ。例えば、2011年に、ファイザー株式会社の製薬業界において史上最高の利益を計上した血脂治療の薬物であるリピトールは特許が満期になった。この薬物は2010年の売上が130億米ドルに上った。これは特許の絶壁における核心的な事件であった。その上、今まで開発中のものの中に、リピトールの役割を取って代わる薬物がまだない。二つ目は各大手医薬品メーカーは自社が2009年に行った買収、合併を消化する業務に忙殺していたこと。例えば、ワイス社を買収したファイザー株式会社、シェーリングープラウ社を買収したメルク社、半分の株を持っているジェネンテック社を徹底的に買収したロシュ社があげられる。大手医薬品メーカーは苦境を出す方式を探り出している。2010年に世界知名医薬品メーカーは下記のような四つの特徴を見せている。
一つ目は製品を中心とするパターンからユーザーと経費支弁者を中心とするパターンへと移転することである。二つ目は買収、合併が依然として発展のテーマである。例えば、ノバルティス社はネスレ社から眼科介護の専門会社であるアルコンの75%の株を買収し、この取引の総額が約500ドル米ドルに上ると宣告した。サノフィ・アベンティス社は201億米ドルでジェンザイム社を買収した。ブリストル・マイヤーズ社は8.85億米ドルでZymoGenetics社を買収すると宣告した。注目を集めるのはアボット社が76億米ドルでソルべイ社を買収した事例である。この取引によって、アボット社はジェネリック医薬品業務を増やし、新興市場での地位を強めることになった。2010年5月、アボット社はジェネリック医薬品業務を拡大すると宣告し、また33億米ドルでインドのPiramal医療保健会社を買収した。この取引によって、アボット社は7%のシェアーを持つことでインドの製薬市場のリーダーになった。三つ目は再編とリストラは風潮になったことである。2010年、製薬業界全体はR&Dと生産における再編が明らかに活発になった。ファイザー社は米国と欧州に位置する研究機構を停止すると宣告し、これがその研究機構総数の35%を占める。その後アイルランド、プエルトリコとアメリカに位置する八つの生産拠点を停止し、同時に欧州、アメリカとプエルトリコに位置するほかの六つの生産拠点のスケールを縮める予定だと宣告した。この措置により、2015年に6,000の従業員を削減することになった。アストラゼネカ社はかなりの人数のリストラを宣告し、2014年までに8,000の従業員を削減するということ。メルク社も15%、即ち約16,000の従業員を削減すると宣告したが、リストラの重点がR&Dと生産の分野に置かれている。四つ目は研究と生産のアウトソーシングのルートの変わりを求めることである。2010年、製薬会社と学術機構の間に築かれた研究・提携関係は大幅に推進されてきた。例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソン社はその子会社であるOrtho-McNeilを通じてマサチューセッツ工科大学David H. Kochガン総合研究所と腫瘍治療に関する5年期限の研究協議書を締結した。ファイザー社はセントルイスに位置するワシントン大学と期限が5年であり、金額が2,250万米ドルに登る協議書を締結した。アムジェン社は提携関係構築のモデルとして、2009年にイノベーション能力が最も強い研究開発ラインを有することで、製薬業界の情報とデータサービス機構であるScrip Intelligenceの金賞を受賞した。これは、アムジェン社とヴァンダービルト大学の間にある薬物開発プロジェクトのおかげである。
(出所:医薬経済新聞2011-03-04)