2010年11月1日、サノフィ・アベンティス社は5.206億米ドルで中国のOTC医薬品メーカー兼販売代理業者であるBMP Sunstone社を買収した。2010年11月3日、杭州民生薬とサノフィ・アベンティス社の合弁会社を設立する協議書は商務部に正式に批准された。協議書によると、21金維他をサノフィ・アベンティス社のホールディング会社に取り入れられた。

　この二口の取引によって、サノフィ・アベンティス社はビタミン鉱産物補充剤と風邪・咳という二つの最大な中国OTCの細分した市場において同時に優位に占めるようになった。しかしその前、サノフィ・アベンティス社は中国でOTCを運営したことがなかった。

　買収の行為を行うのはサノフィ・アベンティス社だけではない。この二年以来相次いで起こったバイエル社が「白加黒」ブランドを買収し、アメリカのカーディナル・ヘルス社が中国の永裕社を買収したなどの動きから、外資系企業は中国OTC市場の将来性が明るいと考えて、次々と投資の進出に力を入れているという全体的な動向がうかがえる。これは新たな業界再構築に繋がることになるに違いないだろう。

　国際のOTC市場に比べると、中国のOTC市場は成長が一層速く、また将来性も一層明るく見える。中国非処方薬協会の統計によると、過去5年間に、中国OTC市場の年平均成長率は11％を超え、世界のトップを占め、また世界OTC市場の平均5.4％の成長率を遥かに上回っていることを明らかにした。他方、中国のOTCは発展の広い余地を持っている。目下、OTCは中国医薬市場の総割当でのシェアー率が僅か10％～15％である。これはアメリカなどの先進国のOTCが全国の30％～40％を占める割合に比べると格差がまだ大きい。しかし、消費者の自己保健意識の高揚及び軽微な疾患に対する自己診療能力の向上につれて、消費者が自らOTCを購入するケースはますます多くなるはずである。2017年まで、中国OTC市場の売上は1,500億元を上回ると予測されている。

　目下、国内OTC業界における全体的競争の局面はバラバラである。多国籍製薬企業は約30％のシェアー率を持っているのに対し、国内製薬企業は約70％のシェアー率を持っている。単独の割当が10％を超える企業は一社もない。市場での割当から見ると、多国籍製薬企業が中国OTC市場への進出に力を入れることは、国内の製薬企業に対する競争圧力を強めることになり、将来のOTC業界での再構築が一層激化されるようになると見込まれている。

（出所：医薬経済報　2011年01月24日）