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第一三共製薬(上海)有限公司包幼甫総経理にインタビュー
时间: 2011-03-22 |クリック回数:

 CJPIスタッフ:包総経理、こんにちは!中日医薬情報ネットのスタッフでございます。本日、お忙しいところ、インタビューを受け入れていただき、誠にありがとうございます。中日医薬情報ネットは中国語と日本語で中国の薬品監督管理に関する政策、法規に関する動向及び日本の医薬情報および中日医薬企業の活動を二ヶ国語で報道するウェブサイトでございます。貴社は中国において事業展開を開始して以来約10年が経たれていますので、貴重な経験を沢山お持ちであると存じます。貴社のことを皆様により多く理解していただくために、中日医薬情報ネットで貴社の中国における発展経過及び総経理様の中国でのお仕事に関する経験談について伺わせていただきたいと思います。それにより多くの方々が貴社の成果を分かち合うことができると信じております。

 包総経理:中日医薬情報ネットのインタビューに感謝いたします。第一三共製薬(上海)有限公司は1999年に上海で設立して以来、中国医薬国際交流センターとよい関係を保っており、今回のインタビューを歓迎しています。

 CJPIスタッフ:ありがとうございます。まずは貴社の概要を簡単にご紹介いただけますか。

 包総経理:第一三共株式会社は世界的に有名な研究開発型のグローバル製薬企業で、本社は東京に所在しています。世界で五十以上の国及び地区で事業を展開しており、3万以上の従業員及び販売ネットを持っています。研究、開発、製造及び販売の各機能から成るグローバル製薬企業として、過去百年の歴史を活かし私達は「Global Pharma Innovator(革新的新薬を創造するグローバル企業)」と言う企業目標の実現度を高めるため日々尽力しています。当グループは売上高の20%を新薬の研究開発に継続して投入し、積極的に社会と市場に数多くの画期的新薬を提供しています。これらの医薬品は各国のたくさんの臨床医師と患者から高い評価を受けてきました。

 2005年9月、「第一三共株式会社」の前身である二つの百年歴史をもっている会社「三共株式会社」と「第一製薬株式会社」が合併を決定しました。新たに誕生した「第一三共株式会社」ではグローバルに事業を展開していた二社の先進的技術と経営資源が融合されました。それによって更に強固な企業基盤と更に優れた競争力が構築され、その結果、より大規模な企業価値の最大化を図ることが可能となりました。2010年、第一三共グループは世界中での売上として90億米ドルをあげ、日本では3位、世界多国籍製薬企業の中では20位に位置付けられました。

 10数年前に、「第一三共株式会社」は中国医薬市場に投資を行い、それぞれ上海市と北京市で、開発、製造及び販売ネットを一体とした独資法人企業、「第一三共製薬(上海)」と「第一三共製薬(北京)」を創立しました。今では、すでに1,200名以上の従業員(内、約500名医薬情報専門員)のチームを有し、感染症、心臓血管、骨科およびリューマチ科などの領域において、臨床現場に向けって10数種類のオリジナル新薬を含めた医薬品を提供しています。2010年の売上高は8.5億人民元に達しました。2015年には、第一三共中国での売上高30数億元をあげることを目標としています。この数字は、第一三共グループのアジア・太平洋地域での総売上高の50%以上を占めることになるでしょう。

 CJPIスタッフ:ご説明を聞きまして、貴社が日本の有名な製薬企業であるだけでなく、中国市場も重視されていることが分かりました。10数年来、中国市場での売上が継続的に伸長しているそうですが、中国で最も喜ばれている貴社の製品をいくつか簡単にご紹介いただけますか。
包総経理:第一三共社製薬会社は中国医薬市場にグローバルに事業展開する新製品を導入しております。

 循環器領域においては、

 ① 高脂血症治療剤:プラバスタチンナトリウム(ブランド名:メバロチン)は唯一水溶性スタチンであり、体内代謝CYP450を介さないために薬物相互作用を最小限に抑えられ、長期乃至終身服用する必要のある高齢患者並びに冠状動脈に疾患を持つ患者に最も適しているスタチン製剤です。

 ② アンジオテンシンII受容体拮抗剤(ARB):オルメサルタン(ブランド名:オルメテック)は強力、安全かつ持続的な抗高血圧薬剤である。降圧効果を持つARB薬効クラスに置いて初期投与量で2週間以内に収縮期血圧および拡張期血圧の両方で二桁の降圧効果を得られる唯一のARB製剤です。

 ③ また、当社は今後2年間で、急性冠症候群(ACS)、心房細動、PCI術後のACS再発を標的疾患とする治療薬剤である血液抗凝固薬(エフィエント、エドスキバン)の早期上市を目指しています。

 感染症領域においては、

 ① ニューキノロン系抗菌剤:レボフロキサシン(ブランド名:クラビット)は強力な抗菌スペクトルを持ち、特に呼吸器領域の主要病原菌に対して強力な抗菌効果を持ちます。

 ② カルバペネム系抗生物質:パニペネム/ベタミプロン(ブランド名:カルベニン)、は抗菌スペクトルが広く、抗菌剤領域において抗菌力が最も強い抗生物質であり、呼吸器領域、血液科、ICU(救急救命センター)及び移植領域などにおいて幅広く使用されています。

 ③ セファマイシン系抗生物質:セフメタゾールナトリウム(ブランド名:セフメタゾン)はグラム陰性/陽性菌の両方に対してバランスの取れた強い抗菌効果を持っている。特に、第2〜4世代セファロスポリン製剤が無効であるESBLs産出菌に対して有効あり、術後感染予防、火傷、産婦人科の領域の置いて幅広く応用されています。

 以外には、整形外科とリウマチ領域の置いては、NSAIDs(非ステロイド消炎鎮痛剤)に属するロキソプロフェンナトリウム(ブランド名:ロキソニン)は世界初のアラキドン酸系プロドラックであり、COX1(シクロオキシゲナーゼ1)とCOX2(シクロオキシゲナーゼ2)をバランス良く抑制することで迅速、強力、安全な鎮痛効果が得られ、関節リウマチ、変形性関節症、腰痛、術後、外傷後及び抜歯後の痛みや炎症、急性上気道炎の解熱及鎮痛等に幅広く使用されています。

 CJPIスタッフ:中国の患者さんは貴社の高品質の製品に恩恵を受けているとも言えますね。それと同時に、これほどたくさんの成果の裏に、総経理様及び中国籍従業員の姿も見えてきます。総経理様はもう長年にわたって中国で勤務されているそうですが、中国での仕事について簡単に説明していただけますか。

 包総経理:臨床内科医師として、私は1986年に日本に留学し、前後して日本東邦大学の医学部心身医学学科と日本大学の医学部心臓血管内科で研究を行い、医学博士の学位を獲得しました。2001年に百年の歴史を持つグローバル製薬企業である第一三共株式会社に入社しました。2002年8月に上海の全額出資子会社である第一三共製薬(上海)有限公司に派遣されました。相次いで経営販売の業務を担当する副総経理と総経理に就任してきました。今年で既に8年目となりました。グローバル製薬グループの一員として、前例がない程の急成長期にある中国の市場環境下で働くことができるのは、自分の才能を活かし、職業生涯の真価を表すよい機会だと感じております。ある意味では、ここが自分の価値と個人の夢を実現する舞台であるとも言えるでしょう。

 2002年当時には数十名の医薬情報専門職員(MR)しかおらず、年間の売上もわずか500万元だった状況と比べ、2010年には当社の営業要員は450名(MRの人数は280名)近くまで増え、年間売上は5.2億元に達しました。ここ数年間の業績を振り返ってみると、この間の成長は全て「発展を求め、永遠に満足せず」という企業経営ポリシーが長年遂行されてきた賜物であると思います。我々は、常に十分に「みんなで知恵と力を出し合う」というモットーを活かし、経営および販売のシステムを絶えず整備し、戦略目標を明確化し、絶えずイノベーションを生み出す意識でコアコンピタンスを高め、変化が多い市場環境にの中で、市場のチャンスを的確に掴んできました。そして、学術を主とする原則を堅持し、敢然と新しい目標にチャレンジしています。

 以上を実行している理由の一つは、会社全員が常に危機意識を持ち、「明日の目標と昨日の制度」に直面して、問題発見と問題解決、執行力のアップ、困難を乗り越えることを通じて飛躍と発展を図るためです。数年以来、われわれはリスクとチャンスに直面し、「変化の内に発展を求め、発展の内に効率を求め、効率の内に結果を求める」という原則を貫いてきました。皆との協力及びたゆまない努力によって、全体的な運営効率と執行力を高め、毎年に数倍及び二桁の成長率を遂げてきました。

 中国医療改革制度の深化に伴い、中国医薬事業の将来性はますます明るくなっていきます。私は一貫して改革を通じて、これまでの制度を打ち破ることで会社の発展スピードを加速させることを堅持していきたいと思います。発展スピードを速めさせられる方法又はルートをすべて受け入れ、さもなくば全部廃棄します。中国が急成長しており、市場での変化も極めて速いものです。市場が変化しているのに対し、我々が変化しなければ、市場より立ち遅れることになります。我々ができる唯一のことは、絶え間なく自分を変えることでこの変化が速い社会に適応することです。中国医薬市場は規模が大きく、潜在力が大きく、発展が速いという特徴を持っています。中国医薬市場において日系医薬企業が欧米企業より立ち遅れている現状を打開する方法は以下のようなのもでしょう。まず、積極的に国の医療体制改革に関与する。革新的発想の下で、急成長戦略の視点でものを見る。日系企業の優れた製品を十分に活かし、市場に存在する資源を効果的に活かす前提の下、我々の長所を伸ばして短所を避けるため、必要であれば、中国民営企業との戦略的パートナーシップ戦略を実行することなどがとるべき道であると思います。

 CJPIスタッフ:総経理様はすでに長年にわたって中国で勤務されていますので、中国の改革開放、中日医薬業界の相互交流、共同発展の証言者と実践者であると言えると思います。続きまして、第一三共製薬(上海)有限公司の企業文化について聞かせていただきたいと思いますが。

 包総経理:第一三共グループは昔から一貫して製品の品質と同じく重要なのは人材及びチームの構築であると考えております。第一三共製薬(上海)有限公司は従業員の価値と社会的価値に加えて倫理や理念により多くの関心を寄せています。私はいつも社員に対して、「イノベーション、誠実、情熱」という三つの精神を念頭に置くべきであると教育しています。グローバル製薬企業の中国にある子会社である第一三共製薬(上海)として、グループの三つの精神(イノベーション、誠実、情熱)と三つの価値(社会価値、経済価値、人間価値)の理念に基づいて、企業市民として、社会から与えられた責任を全うするべきです。社会と市場から期待される優れた新製品を積極的に導入し、製造すると同時に、厳しく品質を保証し、積極的かつ自発的に臨床医及び関連する医療従事者に高品質、ハイレベルの医薬学術情報を提供し、また薬物不良反応に対してタイムリーに対応することで課せられた責務を果たすことができると考えています。我々は常に感謝の気持ちで社会に奉仕するという企業精神を持っております。我々はグループ本社からの支援の下、人材の現地化に力を入れております。現在、第一三共製薬(上海)有限公司の各部署の責任者はほとんどが中国人です。これは第一三共が中国市場で成功を収めたことのキーポイントではないかと考えております。

 CJPIスタッフ:ご体得をお話いただき、誠にありがとうございました。それを聞きまして、たくさんの人々に感想又は啓発を与えることになると信じております。そしてご努力がますます多くの成果を収めることにもつながると信じており、それを心から祈っております。

 包総経理:このようなお言葉をいただき、ありがとうございました。

 CJPIスタッフ:本日、お忙しいところ、インタビューを受け入れていただきまして、誠にありがとうございました。最後に、中日医薬情報ネットに対するアドバイスをいただきたいと思いますが。

 包総経理:中日医薬情報ネットは日本語でタイムリーに中国医薬業界の動き、関係法律法規などを報道し、中国語で日本医薬業界の情報を報道していますので、我々のような日系企業はとても助かります。中国においても日本においてもこのウェブサイトは初めてのものでしょう。どうぞ最後までがんばり抜いて、このウェブサイトの規模拡大、実力アップを実現するよう期待しております。

 CJPIスタッフ:第一三共株式会社及び総経理様が中日医薬情報ネットに下さったご支援とご注目に対しまして、感謝の意を申し上げます。我々は中日医薬情報ネットをますます立派に運営するようにがんばります。同時に、心から第一三共株式会社の中国での事業のご発展、そしてご健勝とご活躍をお祈りいたします。

 包総経理:どうもありがとうございました。

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